10クラスのマイクロ4サイクル模型エンジンの製作


10クラス4サイクル模型エンジンFX−10S

マイクロウィングス最小の4サイクルエンジン

排気量1.6ccのスーパーチャージ方式の4サイクルエンジンです。
エンジン重量103g(マフラー除く)でスモールコンパクト設計です。
実用回転数3000〜13500rpmで小さな飛行機に搭載して
4サイクルサウンドが楽しめます。

マイクロウィングス最小の4サイクルエンジン

【量産試作完了の10エンジン】



排気量1.6cc・10クラスの4サイクル模型エンジンの製作

2サイクルの豆エンジンに続いて4サイクルを試作中です。
排気量は10クラスで1.6ccとなります。
4サイクルはカム、減速ギア、給排気バルブなど部品点数が多く複雑です。
基本構想・・1日、試作しながらその都度設計の行き当たりバッタリ・・・
3週間ほどで何とか形になって来ました。・・・・(^^;)。
目指すは、心地よい4サイクルサウンドと実用パワー!



(写真をクリックすると、大きく表示できます)

【排気量1.6ccの4サイクル豆エンジン試作中!2008/6/29】
今までに量産された4サイクルエンジンとしてはOS製FS-20エンジンが
最も小さいエンジンでしょうか?・・・現在は製造されていません(--;)
昔、カルト産業が10クラスの4サイクルを試作しましたが
大変非力なエンジンだった?と聞きます。
残念ながら、市場に投入されることはありませんでした。



半完成状態 4ベアリングのギアAssy
切削途中のギアカバー 切削中のクランクシャフト

【試作中の4サイクル豆エンジン】
カムとギアまで完成しましたが、この時点ではまだヘッドは図面すらありません・・。
ドライブ機構が出来なければ、ヘッドを設計してもしょうがないから・・・
ギアは埼玉の教育歯車から標準モジュールを取り寄せて切削しました。
もちろんギア比1:1/2です。材質はS45C。



【まだ冷却フィンを削っていません・・】
フィンの切削はいつもテストランがうまく行ってからです。
ロッカーアームはOS製の部品を拝借しました。
アームはメタルインジュクション成型です。
小さな金型だけでも少なくとも60〜70万はするでしょう?

さすがに給排気バルブは大きすぎて使えないので切削しました。
バルブ径は僅か6.0mm・・・プラグより小さい。
シリンダーヘッドにバルブ2個とプラグ1個は入りきらないので
仕方なくプラグは前方から・・・(^^)
結構複雑な形状なので圧縮比の計算は大丈夫か?
ピストンとバルブのクリアランスも微妙な位置です。

テストランまで後一息・・・。
さぁて、取付けマウントとキャブをどうしよう?


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【あともう一歩で・・・'08/7/2】


【主要パーツは完成'08/7/2】

マウント、キャブ、排気管・・・完成しました。
残るはパッキン類で運転が可能です。
逸る気持ちをグッと抑えて最後の詰めを・・・。

キャブはOS製1Aを改造したものです。
2st10用ですが、結構大きい。


【ほとんど切削手加工の10プロトエンジン】

テスト運転はもう目の前・・・。
どんな音がするのか?・・・楽しみ(^^)



【何とか廻りました。・・・(^^)/ '08/7/6】

難産の末、やっと快音をあげました。
やっぱりすんなりとは行きません。(--;)
産声をあげるまで難関は3つ4つありましたが・・・
とりあえず8000rpmまで廻りました。
近所迷惑なので5分ほどでテストは終了しました。
どんな音か、パワーは?・・・
そんなことを考える余裕もなく・・・

次回は、性能確認と安定性、更なる改善点を確認するため
民家のないところでゆっくりと廻そう・・・。



【廻れ!廻れっ!テストラン】


昔、ラジコン飛行機を飛ばしていたディズニーランドの隣の公園に
15年ぶりくらいで来てみました。
ただの沼地と埋立地が、だだっ広い原っぱ?になっています。
エンジン飛行機を飛ばせる環境ではありませんが・・・・。
ハンドランチで遊んでいる人も・・・。
周辺には、高層マンションが立ち並び、大型ショッピングセンターも・・・
エンジンテストにはもってこいの場所です。
存分に廻しました。

シリンダーとヘッドにフィンも切って・・・。
始動性と低速はすこぶる安定したエンジンです。
排気音も低速は、タペットのペコペコ音がして、なかなかいい音です。
問題は、パワー・・・・・。
今日の調整では、7×4ペラでMax9500rpm・・・・まだパワー不足です。
実用には12000rpmくらいは欲しい・・・。

反面、低速は3500rpmでも安定して廻っています。
もう少し圧縮比を上げれば・・・。

4サイクル模型エンジンの テストランNO.1・動画はこちらから・・。
テストランNO.2・動画はこちら・・。




(写真をクリックすると、大きく表示できます)


埼玉の塩谷製作所に模型グローエンジンの圧縮比を問い合わせましたら、
親切に教えてくれました。参考にして圧縮比を9程度まで上げました。
また高速時におけるバルブのハンチングを防止するためにスプリング強度を
あげてテスト運転を行いました。

最高回転数で11200rpmまで回りましたので、そろそろ限界が近いようです。
小型ですから、もう少し廻って欲しいところですが・・・。
実用として小さな飛行機には搭載できそう・・・(^^)


【製作&切削加工】

メタルソーでシリンダーフィンのNC切削 カム&減速ギアASSY
焼き入れ・焼戻ししたカム シリンダーヘッド
シリンダーASSY ヘッドのバルブ挿入口の切削
ヘッドのNC切削画像 クランクケースの切削
(写真をクリックすると、大きく表示できます)

次は、パワー重視でボア・ストロークアップして、
「スーパチャージャ搭載15クラス」を製作予定です。
その次は水平対向ツインへ・・・(^^;)




4サイクルエンジンは部品点数も多く
製作するには機構も複雑です。
排気量の小さいエンジンはバルブ駆動にパワーを食われて
実用パワーを得るのは大変です・・・。

10クラス(1.6cc)は何とか回りますが、
06クラス(1cc)が限界に近いように思います。
フリクションロスを極力抑えて、
スーパーチャージすれば豆4サイクルも可能でしょう。


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