模型ジェットエンジンの材質測定


T-32ジェットエンジン燃焼室の材質測定

【T-32ジェットエンジンの材質は?】

材質を数秒で測定できるハンディタイプのX線マイクロアナライザーです。
買えば1台500万円くらいするそうです・・・(-o-)
原理はよく分りませんが、材料にX線を照射して反射してくるX線の
強度、波長などを分光解析すると材料の成分・含有率まで分る賢い機械です。
数秒でインジケーターにNi.Cr,など成分%を表示してくれます。
高価な計測器をお借りして模型ジェットエンジンの材質を測って見ました。


ハンディタイプのX線マイクロアナライザー 表示部は全部英語・・・

【瞬時に材質が分るX線マイクロアナライザー】

[タービンエンジンT-32の材質]
成分 % Ni Cr Fe Nb Mo Zn 適合材質
@ T-32タービンブレード 77.55 13.29 1.65 2.03 4.61 0.86 インコネル713?
A T-32燃焼室 62.14 20.71 4.79 3.56 8.81 0.00 インコネル625
B T-32排気コーン 8.21 17.48 72.33 0.00 0.24 0.00 SUS304
C (IHI タービン) 57.16 9.83 1.35 2.50 4.60 24.39 ???


測定には多少バラつきがあります。(^^;)
とんでもない数字が出ることがありますが何回か測定すると
そこそこ似たような成分が出ます。
適合材質が完全ヒットしたのは、ABです。

IHIターボチャージャのブレード計測 T-32の排気コーンの計測

【ターボチャージャブレード&排気コーン】

タービン・燃焼室は耐熱性を向上させるためか
Nbが添加されています。
イギリス製p-14の燃焼室はSUS304でした。
これでは耐えられないのでは?

IHI製のターボチャージャのタービンブレードも測って見ました。
Ni=57.16%,Cr=9.83%,Zn=24.39%,・・・亜鉛は多く含まれます?
排気コーンはSUS304でした強度は必要ないのでそんなものかも・・・。
ただタービンブレードは高温下で強烈な遠心力を受けます。
高温時における引っ張り強度のある材料は、
やっぱりインコネル系でしょうか?



X線マイクロアナライザー・・優れた計測器です。
X線を出すので取り扱いには注意が必要です。
照射強度は健康診断で受けるX線撮影の1/300程度
だそうで、危険な被爆にはならないようです。
ためしに腕時計のバンドを測って見ました。
Ti=100% 、やっぱりSEIKO製は間違いない。
100年も前にX線を見つけたレントゲン博士に感謝・・・(_ _)
でも一家に一台は買えません・・・(^^;)

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