15クラスのマイクロ4サイクル模型エンジンの試作


スーパーチャージ方式15クラスの4st模型エンジンの製作


小型4サイクルエンジンの第2弾はスーパーチャージャです。
排気量の小さい4サイクルはパワーのほとんどを減速ギアやカム駆動に消費されて
実用の軸出力を得ることが困難になってきます。
エンジンは廻れど・・・飛行機は飛ばずってことに・・・。
実用の軸出力を得るためやむなしのスーパーチャージ化と言った方が適正かも?
今回、目指すは実用パワー!


(写真をクリックすると、大きく表示できます)

【排気量2.4ccのスーパーチャージ4サイクルエンジン!2008/7/31】

小型4サイクルエンジンにこそスーパーチャージが必要・・・。
4サイクルエンジンは自らのパワーでバルブを駆動しなければなりません。
30クラスのエンジンも15もバルブ駆動のロスはほとんど変わりません。
排気量の小さいエンジンほど、このロスが重くのしかかってきます。
基本はバルブ、プッシュロッドなどの軽量化と駆動ロスの低減ですが
これにも限界が・・・・。

スーパーチャージでこのパワーロスをカバーすれば、もっと小型の
4stエンジンが可能になるはず・・・?!。


【試作中のスーパーチャージャ15エンジン'08/7/29】

基本構造は前回試作の10クラスと同じです
違いはクランクケース内の圧縮を利用して吸気を加圧すること
4サイクルならではの過給です。

この方式は随分昔からあるようですが、模型エンジンに採用したのはYSでしょうか?
YSエンジンを実際使ったことがないのでその性能についてはよくわかりません。
吸気性能が上がれば、間違いなく高出力になるはずです。


【99%完成のスーパーチャージ15エンジン'08/7/31】

まだテスト運転前のスーパーチャージ15エンジンです。
いつものように冷却フィンは切っていません。
吸気チャンバの容量は適正か?
過給を考慮して圧縮比を少し落としていますが、果たして?
クランクケース内の残圧でキャブへの逆流対策は十分か??

わからないことだらけです。
考えるより、やって見る方が早い。


【スーパーチャージ15エンジンのテスト】

今回の15は、意に反して一発で始動しました。
吸気チャンバとクランクケースの容量もマッチしてたのでしょうか?
いきなり12000rpm(7×4ペラ)をクリアしました。
試しにスーパーチャージをやめて別途キャブから直接吸入させると
ピークでも10000rpm強程度ですから、約2000rpm向上ことになります。
これは驚きです。
近くの模型エンジンメーカーのS社さんで聞くと2000rpm上がると排気量が
1ランクから2ランク上のパワーになるそうです。
飛行機に搭載しても何とか引っ張ってくれるパワーが得られました。(^^)

試作エンジン機の飛行は 「自作15−4stエンジン搭載 MicroWings号の製作」に・・・・


 


【15エンジンのベンチテスト】

15スーパーチャージエンジンの テストラン動画(15クラス)・はこちらから・・。
(アイドリングのパタパタ音はなかなかのもの・・・・)

課題は低速から中速時のレスポンスです。
混合気がリッチ気味でモタツキ気味となります。
低速時にクランクケース内部に残留するオイルが
一気に噴出するのかも知れません?
高速移行時に白煙が多くなります。
オイル量23%のグロー燃料ではオイル過多のように思えます。
低オイル燃料を調合しての再テストと、アイドル時のキャブ調整を
行ってみる予定です。

10スーパーチャージ模型エンジンの テストラン動画(10クラス)・はこちらから・・。
追加で試作した10スーパーチャージの新作エンジンです。
この10はレスポンスもよく、スロットルに追従してくれます。
でも、パワーは15に比べると非力です。
7×4のペラで何とか10500rpmです。
2サイクルエンジン06クラスくらいのパワーでしょうか?
スロー、ハイとも安定したエンジンですが、
もう少し贅肉を取って、スモールコンパクトにしなければ・・・(^^;)





【懐かしのOS製FS−20とプロト15エンジン】

FS−20は量産された4サイクルでは最も小さいエンジンと思います。
今回の15エンジンは一回りくらいコンパクトです。
正確な重量は測っていませんが180g?程度です。



【テストしたスロットル】

中低速での燃料リッチはスロットル径の問題のようです。
スロットル径3.4φ、3.6φ、3.8φ、4.0φの4種類でテストしました。
3.4φではフルスロットル時の吸入不足で少しパワーが落ちました。
3.6〜3.8φ程度がベストのようです。
ちなみにFS-20は4.1φでした。
後は排気プレッシャーで少し変わってくると思います。
アイドリング3600rpm、フルスロットル時max12,500rpm
(at7×4ペラ,ニトロM15%時)
レスポンスもかなり改善しました。・・・(^^)
後はフライトでの評価と耐久性です。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(おまけ↓)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【15エンジンの金型の設計】

試作した模型エンジンの金型の設計です。
無垢からの削り出しでは手間ひまがかかり過ぎて・・・
CADはネットから無料の3D-CAD(アリブレ)をダウンロードしました。
全くの素人ですが四苦八苦しながら・・・・なんとか・・・(^^;)
二次元のCADでの設計はとても無理に思えます。



【断面やアセンブリの干渉チェックも・・・】

それぞれ設計した部品を組み合わせて、
クリアランスや干渉のチェックが簡単に出来ます。
ただ、フルスペックが無料で使えるのは1ヶ月のみで
それ以降は、機能制限されます。
初心者には無料の範囲で今のところ十分です。

【15-4stエンジン完成イメージ】




Tachino Products