クランクケースで混合気を圧縮してシリンダーに送り込むスーパーチャージ方式で
排気量1.62ccの量産型としては世界最小クラスの4サイクルエンジンの加工編です
ボア径13.4mm、ストローク11.5mmのグローエンジンです。
試作エンジンについては
クランクシャフトの窒化処理、シリンダーの硬質ニッケルメッキで耐摩耗性を確保しました。
いわゆるABC仕様ではなくAAN仕様です。(アルミピストン、アルミシリンダー+硬質ニッケルメッキ)
シリンダーとピストンとの熱膨張率は同じで、抵抗の大きいピストンリングは使用していません。
バルブライナーなど摺動部にはリン青銅を圧入し、主要軸受には3個のベアリングを使用しました。
ギアはS45C焼き入れ、カム、ブッシュロッドなど駆動部品は全て熱処理を施しました。
エンジンはそれぞれ使う材料と熱処理や表面処理次第でガラクタにも逸品にもなります。
小さくても、それなりに高性能なエンジンを目指して製作したものです。
自分で作ったエンジンは自分で耐久テストを行いました。150フライトまではカウントしたものの
それ以降はやめました。
1フライト5〜10分で既に200フライト近くをこなしており、これ以上の耐久性は
無意味だからです。
数十年前に自分で設計製作したエンジンで自作した飛行機を存分に飛ばしてみたいと夢みたいなことを
構想しました。30年いや40数年経ってやっと現実のものとなりました。
このエンジンは、300台を製作して既に完売しています。
500gほどの小さな飛行機が超スローフライトで4ストサウンドを残し目の前を通過していく。
昔描いた空想物語でした。